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第9話 私の勝ちよ

작가: 月歌
last update 최신 업데이트: 2025-04-04 16:19:55

◆◆◆◆◆

ヴィオレットがカーテン越しにこちらを見ていた。ミアはすぐに身を隠したが、彼女に見られたかもしれない自分の笑顔が気になる。

「ふふ、だから何?気にすることないわ。あの女とセドリックの仲なんて、もう終わっているじゃない」

遠くから二人を見ていても、その不仲は誰の目にも明らかだった。

――もう、私の勝ちみたいなものじゃない?

そんな考えに気を良くしていると、赤子の泣き声が聞こえてきた。

「ふにゃ、ふにゃ、あぁ~にゃ」

「また泣いてる……」

ミアは猫の様な我が子の泣き声に顔をしかめる。そして、ベビーベッドに目を向けた。

「どうして泣いているのかしら?お乳が欲しいの?それともおしめ?」

赤子を覗き込みながら、心の中で毒づく。

――もっと可愛く泣けばいいのに。

しかし、泣き顔さえも愛おしいと思える理由が彼女にはあった。

「ルイ、私の大事な……大事な……」

――金づる。

ベビーベッドに横たわるルイの姿は、生まれながらの貴族そのものだった。上質な素材で作られたベッドで眠る赤子を見ながら、ミアは心の中でつぶやく。

――ルイさえいれば、私の人生は安泰だわ。生まれてきてくれてありがとう、ルイ。

「私の可愛い赤ちゃん!」

ミアはそう言いながらルイを抱き上げた。その瞬間、部屋の扉が開き、セドリックが姿を現した。

「セドリック様!」

彼の訪問にミアの胸は高鳴る。

「ミア、ルイが泣いていたようだが、何かあったのか?」

セドリックはミアが抱くルイに目を向けながら尋ねた。その視線に、ミアは彼が自分を心配していると確信する。

――この調子なら、ヴィオレットを追い出してアシュフォード家の女主人になるのもすぐね。

「ルイなら、もう泣き止みましたわ。母親の私に抱かれて安心したみたいです。やっぱり母子は一緒でないと駄目ですね」

満面の笑みで答えるミアだったが、セドリックの表情は曇るばかりだった。

「ミア、これからはルイのことを『ルイ様』と呼べ。お前はルイの実母だが、身分は乳母だ。立場をわきまえろ」

「そ、そんな……」

ミアは困惑しながらも、セドリックにルイを手渡した。彼は赤子を受け取ると、その小さな顔を愛おしそうに見つめる。

「やはり、ルイは俺によく似ている。髪の色も、目の色もそっくりだ。邸に連れてきて正解だった……顔を見るだけで癒される」

セドリックがそう呟くのを聞きながら、ミアは胸の内で安堵
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